遺言書作成支援の記事
『認知症の父親の介護をして欲しい』場合の遺言書(文例)
今後、このようなケースはあるのではないでしょうか?
お子様に財産を相続させて、父親の面倒をお願いしたいという母親の思いを
遺言書にどう綴るとよいのでしょうか?
文例は以下の通りとなります。
令和xx年第xx号
遺 言 公 正 証 書
(前文省略)
第1条 遺言者は、その有する一切の財産を長男 〇〇太郎(昭和○年○月○日生)に相続させる。第2条 前記〇〇太郎は、前条で全ての財産を相続する負担として、以下の事項を履行しなければならない。
(1) 遺言者の父 〇〇一郎(昭和○年○月○日生)が死亡するまで同人と同居し、世話をし、扶養する。
(2) 前記〇〇一郎が高齢者施設等への入居が必要な場合には、適宜の時期に高齢者施設と入居契約を締結し、前記〇〇一郎を高齢者施設に入居させる。第3条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、前記〇〇太郎を指定する。
2 遺言執行者は、移転登記手続、預貯金の解約、払戻し、名義変更、貸金庫の開扉、貸金庫契約の解約その他この遺言の執行に必要な一切の権限を有する。
(省略)
これは、「負担付相続」(民法1012条)として、定められています。
もし、その負担を履行しなかった場合、長男以外に相続人がいた場合は、相当の期間を定めて長男に催告を
することが出来ます。その期間内に履行しない場合は、負担付相続させる旨の遺言の取消しを家庭裁判所
に請求が出来ます。(民法1027条)
とありますが、正直民法1027条の状況とならぬ様に、お子様などとのコミュニケーションが生前において、
必要なのだと思います。事情はあるとは思いますが。
しかし、遺言書で初めて、こう書かれていたことを認識するというのは、如何なものかと思うのです。
言わずとも、子供ならちゃんと面倒を看てくれるという話は、日頃のコミュニケーションあってのことと感じます。
<第1012条第1項>
(遺言執行者の権利義務)
遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。
<第1027条>
(負担付遺贈に係る遺言の取消し)
負担付遺贈を受けた者がその負担した義務を履行しないときは、相続人は、相当の期間を定めてその履行の催告をすることができる。
この場合において、その期間内に履行がないときは、その負担付遺贈に係る遺言の取消しを家庭裁判所に請求することができる。
参考・引用
新日本法規 【ケース別】遺言書作成のポイントとモデル文例
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