「遺言の撤回」に関すること

今回は、遺言の撤回に関して、触れて行きたいと思います。

2023年6月現在、民法上において、遺言の撤回が触れられている条文となります。

(遺言の撤回)
第千二十二条 遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。

(前の遺言と後の遺言との抵触等)
第千二十三条 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。
2 前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。

(遺言書又は遺贈の目的物の破棄)
第千二十四条 遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなす。遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも、同様とする。

(撤回された遺言の効力)
第千二十五条 前三条の規定により撤回された遺言は、その撤回の行為が、撤回され、取り消され、又は効力を生じなくなるに至ったときであっても、その効力を回復しない。ただし、その行為が錯誤、詐欺又は強迫による場合は、この限りでない。

(遺言の撤回権の放棄の禁止)
第千二十六条 遺言者は、その遺言を撤回する権利を放棄することができない。

※第千二十七条は省略

よく言われる 注意点として、
➀ 第千二十五条にあるように、撤回をしたことを撤回することは出来ません。
 故に、慎重さが必要と考えます。

➁ 第千二十三条のみなしを利用するケースにおいては、新しい遺言が有効である必要があります。
 無効となると目も当てられません。

➂ 公正証書遺言、自筆証書遺言(保管制度利用)のケースにおいては、原本破棄の行為が出来ません。
 新しい別の遺言書を作成する必要があります。

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記事作成者


特定行政書士・海事代理士
米川 政志
千葉県行政書士会葛南支部
船橋市幹事

定期的に船橋商工会議所にて、遺言書作成や相続に関する無料講座を開催しています。

《所有資格》
・遺品整理士
・認定空き家再生診断士

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