『ひとり暮らしをしていた父親の遺言書内容がおかしい』20241130時点(12)

1. はじめに

今回は、ひとり暮らしをしていた父親が亡くり、自筆証書遺言(遺言書)が出てきました。

検認の手続きを経て、内容を確認すると生前に父親が言っていた内容と異なっていたました。

2. 生前に父親が言っていた内容と違う遺言書が出てきました

被相続人(父親)から、私(長女)へ生前に話があった内容と明らかに違う遺言書が出てきました。

私には、弟(長男)がいます。弟が父親を扇動して、遺言書を書かせたのではないかと思っています。

遺言書の撤回は出来るのでしょうか?

3. 遺言書の撤回は出来るものなのか?

本人の意思によって書かれたものかを確認することが重要な要件でありますが、亡くなった後となると確認することが難しいと考えます。

※前提:家庭裁判所への検認済で、後続の遺言書が見つかっていない(存在しない)

生前であれば、父親に処分してもらえば良いのですが、そうも行かないです。

私が「これはおかしい」と思い、勝手に処分したら、欠格事由に該当することになります。

(相続人の欠格事由)
第八百九十一条 次に掲げる者は、相続人となることができない。
一 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
二 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
三 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
四 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
五 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者

4. 遺言書のトラブルを避けるためにはどうすればよいか?

正直、相続人という立場においては難しいと思います。

被相続人の方に対しては、トラブルを避けるために遺言書を作成することを提案出来ると思います。

被相続人以外が関係すると良いことはありません。

遺言書は、秘密裏に作成したいという要望もあると思います。

注意点としては、財産を遺したい方への配慮です。特に法定相続人には特に配慮が必要と感じます。

一番は、公正証書遺言を作成することではないでしょうか?証人2名が必要となり、秘密裏にとはなりませんが、ご本人が亡くなった後の憂いは少なくなると考えます。

5. 最後に

色々と申しましたが、遺言書は、ご本人であればいつでも撤回することが出来ます。

(遺言の撤回)
第千二十二条 遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。

まず、秘密裏という要望を満たせない部分があるかと思いますが、

専門家に相談するのもありかと考えます。

まず、弊所においてもご相談を受け付けております。(フォームからの一次返信までは無料です。)

弊所の問合せフォーム

関連商品

  1. 公正証書遺言の作成の流れに関すること

    今回は、「公正証書遺言の作成の流れに関すること」についての記事となります。

  2. 『認知症の父親の介護をして欲しい』場合の遺言書(文例)

    今回は、「認知症の父親の介護をして欲しいの遺言書について」の記事となります。 記しているものは、あくまで文例となります。

  3. 『相続紛争防止へ有識者議論』に関すること

    今回は、「相続紛争防止へ有識者議論に関すること」の記事となります。

  4. 『遺言作成方法も多様化』という記事を目にしました

    最近、遺言書の作成に関するご相談が多くなっていると感じています。 その中で、法務省は「デジタル遺言制度」の導入に向けた法制審議会を立ち上げたことは、メディアでも扱っていたと記憶しています。 今回は、新日本法規さんの『遺言作成方法も多様化』という記事を目にしたところで、整理をしてみました。

  5. 公証役場について調べてみた

    今回は、「公証役場について調べてみた」についての記事となります。

  6. 遺言書の付言事項について

    今回は、「遺言書の付言事項について」の記事となります。

記事作成者


特定行政書士・海事代理士
米川 政志
千葉県行政書士会葛南支部
船橋市幹事

定期的に船橋商工会議所にて、遺言書作成や相続に関する無料講座を開催しています。

《所有資格》
・遺品整理士
・認定空き家再生診断士

ページ上部へ戻る