『相続土地国庫帰属制度』に関すること

今回は、令和5年4月27日からスタートした『相続土地国庫帰属制度』についてを触れて行きたいと思います。
・法務省 「相続土地国庫帰属制度について」より
相続土地国庫帰属制度のご案内
※2023/12/2現在のものとなります。

しかし、半年以上経過しましたが、承認を得たという事例はあまり耳にしません。
やはり、要件が厳しいという話も耳にします。
・相続又は遺贈により所有権取得した土地であること
 (共有の場合は、共有者全員の同意が必要)
・要件が厳しい(建物がある土地や権利付着していない土地など) ※下記記載※
・負担金が結構かかる
など

国庫帰属までの流れでは、
「事前相談」→「申請書の作成・提出」→「要件審査」→「承認・負担金の納付」→「国庫帰属」
とさらっと書いています。
※審査期間は、約半年から一年と想定と記載あり。

帰属が出来ない土地として、上記リンクのpdf p.16を抜粋します。
(1)申請ができない土地(即却下される)
 ・建物が存する土地
 ・担保権又は使用及び収益を目的とする権利が設定されている土地
 ・通路その他の他人による使用が予定される土地として、a~dが含まれる土地
  a. 現に通路の用に供されている土地
  b. 墓地内の土地
  c. 境内地
  d. 現に水道用地・用悪水路・ため池の用に供されている土地
 ・土壌汚染対策法第2条第1項に規定する特定有害物質により汚染されている土地
 ・境界が明らかでない土地その他の所有権の存否、帰属又は範囲について争いがある土地

※個人的に、扱いが難しい土地は基本NGということですね。

(2)帰属の承認ができない土地(不承認)
 ・崖がある土地のうち、その通常の管理に当たり過分の費用又は労力を要するもの
 ・土地の通常の管理又は処分を阻害する工作物、車両又は樹木その他の有体物が地上に存する土地
 ・隣接する土地の所有者その他の者との争訟によらなければ通常の管理又は処分をすることができない以下の土地
  1. (a)又は(b)に該当する土地のうち、現に民法上の通行が妨げられている土地
   (a) 他の土地に囲まれて公道に通じない土地
   (b) 池沼・河川・水路・海を通らなければ公道に出ることができない土地、又は崖があって土地と公道とに著しい高低差がある土地
  2. 所有権に基づく使用又は収益が現に妨害されている土地(軽微なものを除く。)
 ・そのほか、通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する以下の土地
  (1) 災害の危険により、土地や土地周辺の人、財産に被害を生じさせるおそれを防止するため、措置が必要な土地
  (2) 土地に生息する動物により、土地や土地周辺の人、農産物、樹木に被害を生じさせる土地
  (3) 適切な造林・間伐・保育が実施されておらず、国による整備が必要な森林
  (4) 国庫に帰属した後、国が管理に要する費用以外の金銭債務を法令の規定に基づき負担する土地
  (5) 国庫に帰属したことに伴い、法令の規定に基づき承認申請者の金銭債務を国が承継する土地

※個人的に、維持や利用に際して、お金がかかりそう土地はNGということですね。

闇雲に国庫帰属されても困るのも事実でしょう。承認が通る土地は多分、民間でも買い取ってもらえるようにも感じます。
やはり、生前に如何に準備をしておくべきか?個人的には最終手段とはなりにくい制度であると考えるところです。

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記事作成者


特定行政書士・海事代理士
米川 政志
千葉県行政書士会葛南支部
船橋市幹事

定期的に船橋商工会議所にて、遺言書作成や相続に関する無料講座を開催しています。

《所有資格》
・遺品整理士
・認定空き家再生診断士

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