遺言書の付言事項について

今回は、遺言書の付言事項についての内容になります。

民法等では、遺言の内容についての明確性を確保するため、遺言をすることができる事項を
限定して定めています。そのため、限定したものについてのみ法的な効力が生じます。
このように、民法等が遺言をすることができる事項として定める事項を、「遺言事項」と
呼びます。

これに対して、民法等で遺言することができる事項として規定されていない事項を
付言事項」と呼びます。
付言事項を遺言に記載したとしても、権利義務の変動といった法的効果が生じることは
ありません。

付言事項には法的な効力はありません。
しかし、付言事項を詳細に記載しておくことにより、相続人等を納得させ、遺言者の
死後の紛争を防止することが事実上、期待出来ます。
⇒ 遺留分侵害額請求の抑止
(会社を継ぐ長男に多くの遺産を残す事についての考えや思いを付言事項に記載するなど)

また、付言事項の内容次第では、遺言能力の存在を推認させる間接事実として働くことも
期待出来ます。
⇒ 遺言の無効主張
(当時の遺言能力があることと思うように、詳細に考えや思いをきちんと記載するなど)

したがって、付言事項を記載するのであれば、可能な限り、遺言書に対する思いを
細かく記載することが望ましい場面もあると思います。

参考:「遺言書・贈与契約書チェックのポイント―「やってしまいがちな記載」とその改善例- 新日本法規

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