『遺言の解釈』に関すること

遺言の解釈に関する書籍を読んでいると必ず出てくる判例が、
「最高裁昭和58年3月18日第二小法廷判決」
となります。

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裁判所の最高裁判所判例集より抜粋。
最高裁昭和58年3月18日第二小法廷判決

《事件番号》        昭和55(オ)973
《事件名》         遺贈存在確認等
《裁判年月日》       昭和58年3月18日
《法廷名》         最高裁判所第二小法廷
《裁判種別》        判決
《結果》           破棄差戻
《判例集等巻・号・頁》   集民 第138号277頁

《原審裁判所名》       福岡高等裁判所
《原審事件番号》      昭和54(ネ)770
《原審裁判年月日》     昭和55年6月26日

《判示事項》        遺言書中の特定の条項の解釈
《裁判要旨》         遺言の解釈にあたつては、遺言書の文言を形式的に判断するだけでなく、
              遺言者の真意を探究すべきものであり、遺言書の特定の条項を解釈するに
              あたつても、当該条項と遺言書の全記載との関連、遺言書作成当時の事情
              及び遺言者の置かれていた状況などを考慮して当該条項の趣旨を確定すべき
              である。
《参照法条》        民法968条
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遺言書には、多数の条項で構成されているらしく、その一部分の条項が以下の通りに書かれていたようです。

遺言書に、遺産の一部である不動産について、「妻にこれを遺贈する。」
そして、「妻の死亡後は、子(複数人)の割合で権利分割所有す。但し、右の者らが死亡したときは、その相続人が権利を継承す。」
とあり、裁判要旨にあるように、この文言だけでは遺言者の真意が分からないということで、
福岡高等裁判所に差し戻されたという事案です。

遺言書の記載に関して、最高裁まで行くとなるとそれなりの体力が必要です。
完璧な遺言書はなかなか未来を見通せない限りは厳しいとは思いますが、記載に様々な解釈が生まれる記載は避けることは
ある程度は、可能であると考えます。

そうする為に、専門家にアドバイスをもらうのも一つです。

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記事作成者


特定行政書士・海事代理士
米川 政志
千葉県行政書士会葛南支部
船橋市幹事

定期的に船橋商工会議所にて、遺言書作成や相続に関する無料講座を開催しています。

《所有資格》
・遺品整理士
・認定空き家再生診断士

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