その他
「認知症と意思能力」に関すること
前回に引き続いて、「認知症と意思能力」について、触れて行きたいと思います。
今回も、以下の書籍を参考として、行政書士として出来ることを検討してみたいと思います。
参考:「認知症高齢者をめぐる法律実務-法的リスクと相続問題-」新日本法規
Q 認知症やフレイル(虚弱)の人々が意思決定を行うに際しての判断能力(=意思能力)はどのようなものか?
A 意思能力とは、一般に人が有効に意思表示をする能力すなわち自己の行為の結果を弁識・判断するに足りる
精神的能力(=知能)を意味するものとされ、事例ごとに実質的・個別的に判断されます。【民法 第3条の2】
分かりにくいのではないかと個人的には感じました。
しかし、今後の社会においては、認知能力の低下に伴う財産管理や遺言の紛争等が増加し、これに対応するために
意思能力の明文化することが求められました。
平成29(2017)年に民法が一部改正され、
新設民法 第3条の2において、
「法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。」
とされました。
令和2(2020)年4月1日施行の遺言能力(民法 第961条)、不法行為法上の「責任能力」も同様の理解
されています。(民法 第712条、第713条)
民法 第961条(遺言能力)
「十五歳に達した者は、遺言をすることができる。」
民法 第712条(責任能力)
「未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。」
民法 第713条(責任能力)
「精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。ただし、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りでない。」
行政書士として、実務として、紛争とならないようにするための手段を模索していく必要があると感じています。
紛争に至れば、弁護士のフィールドとなります。
やはり、予防の見地で前広に構える必要性は高まっていると思うのです。
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