『認定空き家再生診断士』が語る【202401019版】

1. はじめに

前回、『認定空き家再生診断士』が語るの続編をいたします。

今回は、【不在者財産管理制度】について、触れて行きたいと思います。

2. 不在者財産管理制度の概要

従来の住所又は居所を去り、容易に戻る見込みのない者(不在者)に財産管理人がいない場合に、利害関係人等は、家庭裁判所に、利害関係を有する第三者の利益を保護するため、財産管理人選任等の申し立てを行うことができる。

選任された不在者財産管理人は、不在者のために、不在者の全財産を管理し、財産目録を作り、家庭裁判所に報告を行う。

3. 民法第25条第1項とは(根拠条文)

(不在者の財産の管理)

従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。

4. 申立人は誰になる?

  • 利害関係人(不在者の配偶者,相続人にあたる者,債権者など)
  • 検察官

5. 申立先は何処になる?

不在者の従来の住所地又は居所地の家庭裁判所

※裁判所が遺産管理の処分を命ずることができる

<要件>従来の住所又は居所を去った者がその財産の管理人を置かなかったとき

6. 管理人の権限

  • 保存行為
  • 利用又は改良を目的とする行為

※建物の処分(取壊し・売却):可能(家庭裁判所による権限外行為許可が必要)

※遺産分割協議:可能(家庭裁判所による権限外行為許可が必要)

7. 最後に

正直、こちらの制度は、不在者が財産を適切に管理しないことが前提になるかと思います。

不在者財産管理人となる人は、第三者となるケースがあります。弁護士、司法書士など。

8. 参考

「空き家再生診断士 WEB講義テキスト 2024年改訂版」編集 一般社団法人全国空き家流通促進機構

関連商品

  1. 『共有地の問題が発生するケース』について

    今回は、「共有地の問題が発生するケース」の記事となります。

  2. 【振り返り特集】『このような場合はどうなるの?』(1)~(10)

    新年ということで、昨年より非定期シリーズの『このような場合はどうなるの?』(1)~(10)をまとめました。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

  3. 「音楽教室、著作権料で合意 JASRAC」という記事に思うこと

    今回は、著作権相談員という立場であり、気になった記事を挙げさせていただきます。 尚、今回の記事は、chatGPT(有償版)を使用しています。

  4. 空き家増抑制へ課税強化 改正法施行、活用促進も

    今回は、「空き家増抑制へ課税強化に関すること」の記事となります。

  5. 遺贈寄付に関すること

    今回は、「遺贈寄付」についての記事となります。

  6. 『おひとりさまの死後、遺品整理をしたい』20240907時点(7)

    非定期的に、「このような場合はどうなるの?」を実施していきたいと思います。 その第7回目となります。

記事作成者


特定行政書士・海事代理士
米川 政志
千葉県行政書士会葛南支部
船橋市幹事

定期的に船橋商工会議所にて、遺言書作成や相続に関する無料講座を開催しています。

《所有資格》
・遺品整理士
・認定空き家再生診断士

ページ上部へ戻る